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エステ広告の注意点とは? 規制やガイドラインについても解説

「エステ広告」は、サロンの集客を成功させる手段の一つです。広告によるサロン集客を成功させるには、自身のエステサロンに合った広告手段を選ぶ必要があります。また、守るべき規制やガイドラインも存在することから、事前にしっかりと広告に関する知識を理解しておくことが重要です。

今回の記事では、エステ広告に関する基本知識を解説します。エステ広告の重要性から規制内容、種類と選び方のポイント、活用法まで紹介しているので、参考にしてください。

集客成功の第一歩!エステ広告の基本

エステ広告は、エステサロンの集客を成功させるための第一歩です。まずは、エステ広告の基本知識から整理しましょう。

エステ業界における広告の重要性

エステサロンの集客を成功させるためには、多くの人にサロンやサービスを認知してもらうことが重要です。広告はうまく活用することで、認知度を一気に拡大させるチャンスになります。

これまではテレビやラジオ、電車、チラシなどの広告が主流でしたが、近年はインターネットやSNSを活用した広告手段も増え、選択肢が豊富になっています。それだけ多くの人に自身のエステサロンを認知してもらえる手段も増えているということです。

特に新規顧客の獲得を目指す場合、まずはサロン広告の活用・運用を通して認知度を高めることを目指しましょう。

ターゲットを明確に!

「幅広い広告手段を使うことで、認知度を一気に高められる」と考える人も多いかもしれません。しかし、多くのコストをかけてたくさんの広告を出稿しても、それに見合う費用対効果が得られるとは限らない点に注意が必要です。また、広告を出稿するにはコストが必要となることから、多くの広告手段に手を出すことは現実的ではないでしょう。

広告を出稿する際に重要となる考え方は、さまざまな広告手段の中で、自身のサロンに最適な方法を選ぶことです。最も効果的と考えられる広告手段を選び、その効果が最大限高められる広告運用を行うことで、コストを抑えながら効率的に集客につなげることができます。

サロンにとって効果的な広告手段を選ぶ際に重要なポイントとなるのが「ターゲットの明確化」です。例えば、20〜30代をターゲットにしたエステサロンであれば、InstagramなどのSNSで美容情報を得ている人が多いと考えられます。Instagram向けのSNS広告を出稿すれば、サロンのターゲット層へ効果的にアプローチできるでしょう。

また、広告の内容についても「多くの人に来てほしい」と、情報を幅広く扱いすぎると、かえって誰にも影響を与えられない広告になる可能性があります。集客につなげたいターゲットを明確にし、そのターゲットに確実に訴求できるような広告を目指しましょう。

エステ広告の注意点

広告は、消費者に不利益を与えないように法律で内容の規制が行われています。ここからは、エステ広告を出稿する際に、必ずおさえておくべき注意点について見ていきましょう。

エステ広告で注意が必要な理由

認知度を高める効果のあるエステ広告ですが、集客を目指すあまり、過剰な効果をうたった表現を使ったり、実際の料金よりお得に施術できるかのように表現したりするサロンも少なくありません。こうした広告によって消費者側が不利益を被らないよう、エステ広告には法律でさまざまな規制が設けられています。

特にエステは医療行為と明確に区別する必要があるため、使用する言葉や表現など、法律で細かい規制が設けられています。規制を正しく把握していない場合、知らず知らずのうちに違反してしまう可能性が高いです。広告を出稿する前に、必ず規制やガイドラインを正しく理解しておきましょう。

エステ広告における規制とガイドライン

エステ広告における規制とガイドラインについて、詳しく解説します。

法的要件と業界基準の理解

具体的に、エステ広告に設けられている法的要件と、規制される例をチェックしていきましょう。

◼︎景品表示法
・商品やサービスの品質、規格などの内容について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより「著しく」優良だと一般消費者に誤認される表示は禁止(優良誤認表示)。
・商品やサービスの価格などの取引条件について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより「著しく」有利だと一般消費者に誤認される表示は禁止(有利誤認表示)。

景品表示法では、効果や料金、サービス内容に関して嘘や大げさな内容を盛り込むことで、消費者を勘違いさせるような広告表現を禁止しています。品質や比較表現については、客観的に実証された内容であることが求められます。

エステサロン広告で規制される例
・適切な方法で比較していないにも関わらず「施術満足度No.1」と表現
→関連する産業界において、一般的に認められた方法で調査している証拠が必要
・合理的な根拠がない「ビフォーアフター画像」を広告に利用する
→ビフォーと同じ環境で撮影したアフター画像を用い、施術内容・回数・期間・施術中の生活などの条件の記載が必要
・「今がチャンス」と消費者にサービスの購入を煽りながら、同じキャンペーンを何度も繰り返し行う
→割引する前の価格で販売した実績が必要

参考:消費者庁「景品表示法

◼︎薬機法
・医薬品等に関する虚偽または誇大な広告は禁止(誇大広告等)。
・承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告は禁止。

エステサロンで行う施術は、治療ではありません。そのため、サロンで用いる機器の効果について、医療行為が行えるかのような表現をした場合には、虚偽または誇大な広告であるとして、薬機法に抵触する可能性があります。

エステサロン広告で規制される例
・施術で用いる美容機器を「ニキビが治る」などと紹介する
・エステサロンで販売するサプリメントを「痩身効果がある」などと紹介する
→「ニキビを目立たなくする」「健康的な体づくりを目指す」といった表現に変更する

参考:厚生労働省「医薬品等の広告規制について

◼︎医師法
医師以外の者が、医業を行ったり、医師または紛らわしい名称を用いることは禁止。

医師法の内容にのっとり、エステサロンで医療行為を行っているかのような内容の広告は禁止されます。広告に記載する文言の一つ一つが、医師法に抵触しないか細かく確認しましょう。

エステサロン広告で規制される例
・広告内に「治療する」「治す」「医学的」といった言葉が記載されている

参考:厚生労働省「医師法

◼︎あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)
医師以外、かつ免許を持っていない人があん摩マッサージ、指圧、鍼灸を行うような内容の表現は禁止。

マッサージや指圧、鍼灸を行うには、国家資格を有している必要があります。特にエステサロンの場合は「マッサージ」という表現に注意が必要です。

エステサロン広告で規制される例
・広告内に「マッサージ」という文言を使用する
→体をほぐす施術を行っている場合は「リラクゼーション」などと表現する

参考:厚生労働省「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

ガイドラインに違反するとどうなる?

法律に違反した広告を出稿した場合、消費者庁によって事情聴取などの調査が行われます。違反が認められて措置命令が下された場合、それに従って適切な措置を行わなければなりません。違反行為の中でも、課徴金対象行為にあたる違反をした場合は「課徴金納付命令」が科されることとなります。

加えて、最近ではエステサロンの口コミサイトやSNSなど、消費者が自分の思いを書き込める場が多く存在します。消費者に誇大広告だとみなされれば、エステサロンの評価が一気に下がってしまうことも懸念されるでしょう。

誤解を招く広告にしないためのポイント

誤解を招くような広告にしないために、まずはガイドラインを正しく理解することが重要です。とはいえ、サロン経営者が自らの目で確認しても、専門的な知識がない場合は違反していないかどうかの判断が難しいでしょう。

違反・誤解のない広告を作成するために、専門のチェックツールを使用することもできます。最近では、広告上の文章はもちろん、画像も含めてチェックできるツールも登場しています。また、専門の協会などが用意している公式ガイドラインなどを参考にしてみるのもよいでしょう。

消費者はもちろん、社会からも幅広く信頼されるエステサロンであるためにも、広告の内容は慎重に精査を行いましょう。

効果的なエステ広告の作成方法

ここからは、より効果的なエステ広告の作成方法を紹介していきます。

魅力的なビジュアルとキャッチコピーの活用

人の目にとまりやすい広告を作成するためには、ビジュアルとコピーを魅力的にすることが重要です。

ビジュアルとは、写真などの視覚的な情報を指します。サロンの魅力やポジティブなイメージがわかりやすく伝わる写真を活用し、視覚的に魅力的な広告づくりを目指しましょう。

また、エステ広告はコピーも重要です。コピーとは、商品やサービスの魅力を伝える短いフレーズのことで「キャッチコピー」とも呼ばれます。多くの文字を盛り込むことが難しい広告では、人の心を動かす魅力的なコピーを掲載することも有効です。

オンライン広告とオフライン広告の使い分け

広告の中には、インターネットを介して配信される「オンライン広告」と、インターネットを介さない場で出稿される「オフライン広告」が存在します。

  • オンライン広告:リスティング広告、SNS広告、ディスプレイ広告など
  • オフライン広告:テレビ、ラジオ、雑誌、看板、チラシ、交通(電車)広告など

オンライン広告とオフライン広告には、それぞれ強みと弱みが存在します。例えば、オフライン広告は不特定多数の人に情報を発信できる一方、集客が見込めるターゲット層へのピンポイントの訴求が難しいことがある点に注意が必要です。オンライン広告は、一度に伝えられる情報量が少なくなりがちですが、方法によってはピンポイントで集客が見込めるターゲットに近い層への訴求が期待できます。

このように、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自身のサロンには何が向いているのかを慎重に検討しながら、広告選びを行っていきましょう。

エステ広告におけるSNS活用

広告以外に、エステサロンの集客手段として特におすすめなのが、SNSを活用する方法です。SNS広告を出す以外にも、サロンのSNSアカウントを運用することで、費用をかけることなく、新規顧客の獲得やリピーターづくりに役立てられます。ここからは、エステ広告におけるSNS活用について解説します。

エステサロンのファンづくり

エステサロンの経営において重要なのが、リピーターの数を増やしていくことです。新規顧客の獲得ももちろん大切ですが、そこから定期的に通ってくれるリピーターの顧客を定着させることが、安定した経営につながります。

InstagramやTikTokなどのSNSは、そんなエステサロンと顧客の関係性づくりにも大いに活用できるツールです。戦略的に運用することで、徐々にフォロワーやファンを増やすことにつながります。

投稿には、自身のエステサロンの魅力だけでなく、美容に関する豆知識や、季節・時期に合った施術やお手入れの提案など、フォロワーにとって有益になる情報を盛り込むのがおすすめです。投稿テーマを決めて継続的に更新し、徐々にファンを増やしていきましょう。

顧客とのコミュニケーションの重要性

エステサロンにファンを増やしていく上では、顧客とコミュニケーションをとることも欠かせません。SNSは顧客とのコミュニケーションを活発化する上でも、大いに役立ちます。

  • リピーター向けのメッセージを定期的に配信する
  • SNSから直接予約ができるシステムにしておく
  • DMなどで質問や問い合わせを受け取る
  • SNSキャンペーンなど、フォロワーにとって有益なイベントを行う

コミュニケーションがとりやすくなると、エステサロンが顧客にとってより身近な存在になります。そうした顧客との関係性づくりのためにも、SNSを積極的に活用しましょう。

まとめ - エステ広告をうまく使って成功に導こう

エステサロンの集客に欠かせないエステ広告は、サロンのターゲット層に届きやすい広告手段を選び、ガイドラインを守った内容のものを出稿しましょう。また、広告だけでなく、無料で始められるSNSを積極的に活用することもおすすめです。エステ広告で新規顧客を獲得しながら、SNS運用で顧客との関係性やコミュニケーションを大切にすることで、継続的な集客の成功につながるでしょう。