エステサロンの種類や特徴を解説！ 開業前に知っておきたいポイント

エステサロンの開業を目指す際、まずは具体的に「どんなサロンにしたいか」を考えることが大切です。エステサロンの業態や施術の種類は多岐にわたります。それぞれにどんな特徴があるのかを理解した上で、サロン経営の方針を固めていきましょう。

今回の記事では、エステサロンの種類やそれぞれの特徴についてまとめました。開業前に知っておきたい、サロン経営の基礎知識も合わせて解説していますので、参考にしてください。

エステサロンの種類とその特徴

まずは、エステサロンの代表的な施術の種類と、それぞれの特徴について解説します。

フェイシャル専門のエステサロン

「フェイシャル」は、顔まわりを指す言葉です。フェイシャルエステでは、顔から首、デコルテ（鎖骨）までを対象にした施術を行います。

◼︎フェイシャルエステのメニュー例

ハンドケア（トリートメント）

• クレンジング、洗顔
• 角質、毛穴ケア
• ピーリング
• ハンドマッサージ、リンパドレナージュ
• 美容液導入
• サロン専用パック

顔に関しては、ニキビ、毛穴、乾燥、美白、くすみ、シワ、たるみなど、人によって抱えている悩みがさまざまです。幅広い肌悩みにアプローチできる施術メニューを展開していく方針だけでなく、特定の悩みに特化した施術メニューを展開しているサロンもあります。

施術の方法はハンドケアのほか、パックや薬剤、美容機器を使用したものなど、選択肢が豊富です。最近では、特にハイドラピーリング機器やプラズマ機器などの美容機器は、施術の幅を広げるだけでなく、サービスの質向上、回転率アップなどのメリットにもつながるでしょう。

ボディトリートメント専門のエステサロン

全身を施術対象とする、ボディトリートメント専門のエステサロンもあります。リラクゼーションを目的とした施術から、健康な体づくりをサポートする施術も可能です。

ボディトリートメントは、アプローチできる部位が多岐にわたります。自身のサロンの強みを打ち出すため、特定の部位や目的をしぼったメニュー展開を行っているサロンも多いです。

◼︎ ボディトリートメントのメニュー例

リラクゼーションを目的とした施術

• ハンドケア
• リンパドレナージュ
• よもぎ蒸し
• アロマテラピー

健康な体づくりをサポートする施術（機器使用）

• キャビテーション
• EMS
• ラジオ波
• 吸引

ボディトリートメントも美容機器を用意すればメニューの充実や単価の底上げ、施術時間の短縮につながります。特に、健康な体づくりや痩身目的をサポートする施術に関しては、美容機器の導入で施術クオリティ向上が期待できるでしょう。

一方、手技を強みとしていく場合は、ハンドケアやアロマトリートメント、リンパドレナージュなどのメニュー展開がおすすめです。施術者が技術を高めていくことで、メニューの幅も広がることでしょう。

総合的なビューティーケアを提供するエステサロン

フェイシャル、ボディなど区別をせず、総合的なビューティーケアを提供するエステサロンもあります。「局所的な悩みはないものの、全身を満遍なくケアしてほしい」「特定のイベントに向けて全身をケアしたい」といったニーズに応えられるのが強みです。

トータルにビューティーケアができるエステサロンは、以下のような形態で営業することも一つの方法として挙げられます。

◼︎総合的なエステサロンの例

• ブライダルエステサロン：結婚式を予定している女性向けのサロン

• リラクゼーションサロン：心身をリラックスさせることを目的としたサロン
• メンズエステ：男性を専門としたエステサロン
• 複合型エステ：まつエクやネイルサロン併設エステ

地域性や近隣の競合他社などを考慮した上で、自身のエステサロンが目指したいコンセプトに合う場合は、総合的なビューティーケアを提供するサロンとして営業するのもいいでしょう。

エステサロン開業のための市場分析

エステサロンの開業に欠かせないのが、市場分析です。開業前に市場分析を行う際の2つのポイントを解説します。

ターゲット顧客を明確にする

エステサロンの開業に向けて動き出す前に、まずは自身のサロン営業を通じて「どんな顧客に・どんな価値を届けたいか」を明確にしましょう。

もちろん「一人でも多くの人に来て欲しい」と考えることは自然です。しかし「幅広い人に受け入れられたい」と考えながらメニューや広告を展開してしまうと、誰にとっても魅力的なものに映らない恐れがあります。まずは、自身のサロンがターゲットにしていきたい顧客のイメージを具体化してみましょう。

◼︎ターゲットの例
32歳の独身女性。事務の仕事をしており、勤務時間は9時〜18時。趣味は買い物。トレンド情報の収集のため、InstagramとXをよく利用している。デスクワーク中心で運動不足のため、体のこりに悩んでいる。
→ボディを中心としたサロン、時間短縮のため機械を使用

また、ターゲットを考える上では、サロンの立地を考えてどのような人が多く住む地域なのかを考慮することも重要です。「働き盛り・一人暮らしの人が多い」「ファミリー層が多い」など、地域の特性によってターゲットとなる顧客の特徴も変わってくるでしょう。

ターゲットが具体的になれば、分析すべき市場、展開すべきメニュー、広告で打ち出すべき内容がおのずと明確になります。ターゲットに該当する人に、確実に魅力が伝わるようなサロンづくりを目指してみましょう。

成功のカギは競合他社の分析と差別化戦略

多数のエステサロンが展開されている中で、自身のサロンを選んでもらうためには、競合他社との差別化を考える必要があります。

まずは、近隣にある競合他社のサロンがどのようなコンセプトやメニューを展開しているのかを分析しましょう。分析した結果に基づき、他者にない強みをつくるための戦略を立てていくことが必要です。

例えば、競合他社と重複しないコンセプトにすれば、ターゲットの重複を避けられる可能性が高まります。そのほか「予約しやすいシステムを導入する」「訪問エステに対応する」など、サービス内容で差別化を狙うことも可能です。

競合他社のサービスやコンセプトを把握した上で、自身のエステサロンにしか提供できないメニュー展開やサービスを追求していきましょう。

エステサロンのサービスメニューの開発

エステサロンを開業する際は、魅力的なサービスメニューの開発にも力を入れましょう。

顧客のニーズに応じたメニュー作成

メニューも、顧客ターゲットを明確化して作成することが重要です。市場分析の際に定めたターゲットを意識し「どんなメニューを展開すれば来店してもらえるか」「喜んでもらえるか」を考えてみましょう。

自身が得意な施術を取り入れながら、ターゲットとしたい顧客のニーズに応えられるメニューを展開することで、集客や顧客満足度の向上につながります。

トレンドを取り入れたメニューの提案

エステなどの美容施術には、時代や時期に応じて必ずトレンドが存在します。流行している施術は、それだけ多くのニーズに応えているということです。開業時のトレンドをおさえることはもちろん、開業後も定期的にメニューの見直しを行うようにしましょう。

特に美容機器は日々進化していて、次々に新たな機能を備えたものが登場します。サロン開業後も随時新しい美容機器を導入したり、リプレースしたりすることが必要です。

エステメニューの作り方については、「取り入れたいエステメニューとは？ 売れるメニューの作り方」の記事でさらに詳しく解説しています。そちらも合わせて参考にしてください。

エステサロンの運営と管理

エステサロンの運営や管理に関する知識も、開業前にしっかりと理解しておきましょう。

効果的なスタッフ管理とトレーニング

エステサロンを運営するためには、ともに働くスタッフの管理も不可欠です。適した人材を採用することはもちろん、採用後も適切な労務管理によって、スタッフが長く快適に働けるような労働環境づくりを行う必要があります。

また、スタッフへの教育やトレーニングも重要です。スキルの高いスタッフが在籍していれば、その分顧客の満足度アップも高まります。施術はもちろん、接客マナーやコミュニケーションに関しても、定期的な研修の開催やセミナー受講などを通して、適切なスキルが身につけられる教育体制をつくりましょう。

エステサロンの財務管理

長期的なエステサロン経営に欠かせないのが、財務管理です。安定して利益を出していくためには、施術に必要な経費を管理しながら、メニューやサービスの料金を的確に設定していく必要があります。

財務管理が曖昧のまま営業を続けていると、「気づかないうちに赤字が大きくなる」「資金繰りに失敗する」など、長期的な経営が難しい状況になるでしょう。財務については手を抜かず、専門書や講座で学習したり、専門家に依頼したりと、管理体制にこだわりましょう。

エステサロンの集客

集客も、戦略的に進めることが重要です。サービスの質にこだわることももちろん必要ですが、自身のエステサロンの魅力を外部へ発信することにも力を入れましょう。

◼︎エステサロンの主な集客方法

• オンライン、オフライン広告の出稿
• サロンのホームページの作成
• SNS（Instagram、X、Tik Tokなど）運用
• Google ビジネス プロフィールの登録

インターネットやSNSの普及で、エステサロンの集客手段は増えています。自身のサロンの強みやターゲット、地域性なども考慮して、最適な集客手段を選択しましょう。

エステサロンにおける集客のポイントについては「エステサロンの集客方法と押さえておくべきポイント」の記事にて詳しく解説しています。そちらも合わせて参考にしてください。

まとめ – どんな種類のエステサロンを選ぶ？

エステサロンの種類は一つではありません。自身のスキルの強みやターゲットを考えながら、何を特徴としたエステサロンとするかを考えてみましょう。また、サロンを経営していく上で、知っておくべきポイントも多岐に渡ります。開業前に十分知識を深めた上で、準備を進めていくとスムーズでしょう。